災害時に電動バイクよりもスーパーカブが圧倒的に強い理由|停電・物流停止でも動く“生存バイク”とは

2025年12月5日 当サイトにはプロモーションが含まれます

災害時にスーパーカブで移動する日本人ライダーの写真

ここ数年で一気に「電動バイク」「EVスクーター」ブームが来ています。
静かでクリーン、維持費も安そう……確かに普段使いだけを見れば魅力的です。

しかし、「災害」という視点で見ると話はまったく変わります。
日本は世界でもトップクラスの災害大国なのに、電力インフラは驚くほど脆弱です。電気が止まれば、どれだけ高性能な電動バイクも「ただの重い荷物」にしかなりません。

本記事では、あえて言い切ります。
──電動バイクの時代になっても「スーパーカブだけは絶対に手放すな」。
なぜそう断言できるのか、実際の災害例と具体的な備え方を交えながら、カブ乗り目線で徹底解説していきます。

日本は「災害大国」なのに、電気と交通インフラが脆すぎる

日本は言うまでもなく、地震・津波・台風・豪雨が当たり前のように襲ってくる国です。にもかかわらず、少し大きめの地震や事故が起きるだけで、

  • 広範囲の停電
  • 鉄道ストップ・駅の閉鎖
  • 道路の大渋滞
  • 物流センターやガソリンスタンドの機能停止

といった“都市機能のマヒ”が簡単に起こります。

たとえば、2021年10月8日に首都圏を襲った地震では、比較的短時間の揺れにもかかわらず、

  • 鉄道が広範囲で運休・徐行
  • 駅構内に帰宅困難者があふれる
  • 道路・タクシー乗り場が大混雑

という「プチ首都圏マヒ」が起きました。
たったこれだけの規模でもこれです。首都直下級の本番が来れば、電力も交通も“長時間止まる”と考えておくべきでしょう。

東日本大震災の直後には、「オール電化住宅は停電したら何も使えない」という現実に、多くの人がショックを受けました。それでも10年も経つと、その教訓を忘れ、また「何でも電気で動かそう」という流れに戻っているのが今の日本です。

バイクも例外ではありません。「電動だから安心・エコ・未来」と思い込んで、最後の砦であるカブまで手放してしまうのは、あまりに危険だと感じます。

停電したら電動バイクはどうなるのか?

普段は便利な電動バイクも、「電気が途絶えた瞬間からカウントダウンが始まる乗り物」です。大地震や大規模な台風被害で送電網がやられると、次のような状況が当たり前に起こります。

  • 自宅・職場・商業施設のコンセントがすべて使えない
  • 充電スタンド自体が営業停止
  • 太陽光や蓄電池を持っていない家では、充電手段ゼロ
  • 復旧の優先順位は「病院・インフラ施設」が最優先で一般家庭は後回し

つまり、「バッテリーを使い切ったらそこで試合終了」です。
どれだけ高価なEVスクーターを買っても、充電できなければ一歩も動けません。

しかも、災害時は避難や救助活動で移動が増えます。
「気づいたらバッテリーが残りわずか」「でも充電する場所も電気もない」という最悪のパターンになるリスクが非常に高いのです。

“いざという時に動かせない乗り物”は、命を守る道具にはなりません。
ここが、どれだけ普段快適でも、電動バイクを「唯一のバイク」にしてはいけない理由です。

なぜスーパーカブは非常時に“生存バイク”になれるのか

一方でスーパーカブは、災害時にこそ真価を発揮します。単なる趣味の原二ではなく、「生き延びるためのインフラ」になり得る乗り物です。

1. 驚異的な燃費性能:少量のガソリンで長距離を走れる

カタログ値うんぬんではなく、実際のカブ乗りの体感としても、リッター50〜60km前後は普通に走ります。条件次第ではさらに伸びる個体も珍しくありません。

  • タンク満タン+携行缶があれば、数百キロ単位で移動できる
  • 限られたガソリンを「距離」に変換できる効率が異常に高い
  • ガソリンスタンドに並ぶ回数を減らせる

災害時、「燃料をどれだけ節約して動けるか」は生存率に直結します。
この部分で、カブは電動バイクどころか、大半の車・バイクを凌駕しています。

2. 積載力:物資運搬にも使える“走るバックパック”

カブの真骨頂はリアキャリア&ボックスの組み合わせによる積載力です。
リアボックス・フロントバスケット・サイドバッグを組み合わせれば、

  • 飲料水・食料・非常食
  • モバイルバッテリーや小型ポータブル電源
  • 簡易トイレ・衛生用品
  • 毛布・レインウェア・防寒着

など、「家族1〜2人分の1〜2日分の物資」なら余裕で運べます。
荷物がほとんど載らない電動スクーターでは、こうはいきません。

リアボックス選びや取り付けは、こちらの記事も参考にどうぞ。

3. 悪路走破性と小回り:渋滞でも“すり抜けないルート”が選べる

災害時は、道路の状況も一気に悪化します。

  • 信号機が止まり、大交差点が大混乱
  • 道路にひび割れや段差、陥没が発生
  • 倒木やガレキで片側通行・通行止め

車はとにかく身動きが取れなくなります。しかしカブなら、

  • 生活道路や路地を選んで走れる
  • 狭い道・裏道でも通れる
  • 多少荒れた路面でも慎重に走れば進める

「すり抜けろ」という話ではありません。
“選べるルートが多い”ということ自体が、災害時には大きな武器になるのです。

4. シンプルで壊れにくい:メンテも自分である程度できる

スーパーカブは「世界一タフな実用バイク」と言われるほど、構造がシンプルで壊れにくいマシンです。
電子制御バリバリの最新バイクと違い、

  • オイル交換
  • チェーンの清掃・調整
  • プラグ交換

などの基本メンテなら、工具さえあれば自分でも何とかなるレベルです。

日頃からこちらの記事を参考に、最低限の整備は覚えておきましょう。


5. ガソリンは「他のインフラ」からも融通できる

さらに心強いのが、ガソリンという燃料の汎用性です。

  • 非常用発電機で使っているガソリンをカブに回す
  • カブ用に備蓄しているガソリンを発電機側に回す

といった形で、「電気 → ガソリン」「ガソリン → 電気」の両方向で融通が利くのが大きな違いです。
電動バイクは、あくまで「電気が来ていること」を前提にした乗り物であり、停電した瞬間に孤立します。

東日本大震災の現場でも、最前線で動き続けたのはこうした内燃エンジンの小型バイクたちでした。

災害に備えて「カブ乗りが今やっておくべきこと」

では、カブを「非常時の生存バイク」として活かすために、平時から何をしておけばいいのか。ここは具体的に行動レベルで整理しておきます。

1. ガソリン携行缶を備蓄し、「満タン習慣」を作る

まずは燃料の確保です。
最低でも 10〜20L ほどのガソリンを携行缶で備蓄しておくと、大災害が起きたときの安心感がまるで違います。

  • 20Lクラスのしっかりしたガソリン携行缶
  • 保管場所は直射日光が当たらない、風通しのいい場所
  • 定期的な入れ替え(給油時に入れ替えて鮮度を保つ)

ガソリン携行缶の例はこちら
法律や保管ルールもあるので、購入時は説明書をよく読み、危険物として正しく扱うことが大前提です。

そしてもう一つ大事なのが、「燃料計が半分を切ったら給油する」という平時ルールです。
「ギリギリまで乗ってからスタンドへ」は、災害大国では自殺行為。
常に“7〜8割残っている状態”をキープする習慣をつけましょう。

2. リアボックス+簡易防災セットを常備しておく

カブのリアボックスには、「崩壊社会で生き残るための小さな防災倉庫」という役割を持たせることができます。中身の例としては、

  • 500mlペットボトルの水(数本)
  • カロリーメイトなどの保存食
  • モバイルバッテリー+充電ケーブル
  • 簡易トイレ・ポケットティッシュ・ウェットティッシュ
  • レインウェア・軍手・小型ライト

を「常に入れておく」か、「すぐに放り込めるようセットをまとめておく」と安心です。
リアボックス選びや固定方法はこちら。

3. タイヤ・チェーン・ブレーキは常に“即戦闘モード”に

いざという時、タイヤがツルツル・チェーンがサビサビでは話になりません。
「いつ大地震が来ても、そのまま走り出せる状態」を普段から維持しておきましょう。

  • タイヤの山とヒビ割れを定期的にチェック
  • チェーンの張りと注油をサボらない
  • ブレーキシュー・ブレーキパッドの残量確認

メンテナンスの基本は、こちらの記事に詳しくまとめています。


4. 工具セット・パンク修理キット・携帯ポンプを揃える

災害時は路面も荒れやすく、パンクのリスクも平時とは比べものになりません。
最低限、次のアイテムはカブ用として一式揃えておきたいところです。

  • 車載工具+不足分を補った工具セット
  • パンク修理キット(チューブ・チューブレスに応じて)
  • 携帯型エアポンプ(手動 or 電動)

工具選びのポイントはこちらの記事が参考になります。

5. 防水・防寒装備は「通勤でも使えるもの」を選ぶ

災害時は天候を選べません。雨だろうが風だろうが、動かなければならない場面が出てきます。
そこで重要なのが、普段から使えるレベルでのレインウェア&防寒装備です。

  • 上下セパレートのしっかりしたレインスーツ
  • 防寒インナー・ネックウォーマー・防風グローブ
  • 防水性の高いシューズカバーやブーツ

「非常用だから安物でいい」ではなく、普段の通勤・ツーリングでも使える良品を選びましょう。結果的にコスパも安全性も高くなります。

「1台しか持てない人」ほど、スーパーカブを手放すな

ここまで読んで、こう思ったかもしれません。
「でも普段は電動バイクの方が静かだし、維持費も安そうだし……」

もちろん、“趣味用セカンドバイクとして電動を追加する”のは全然アリです。
問題なのは、

「バイクは1台しか持てない」
その1台を、カブから電動バイクに乗り換えてしまうこと

です。

普段の快適さだけ見れば、電動に軍配が上がる部分もあるでしょう。
しかし、大地震・長期停電・物流のマヒが起きた時、
「最後に本当に動けるのはどっちか?」と考えると、答えは明らかです。

あなたの街で大災害が起きたとき、
「スーパーカブを残しておいて本当に良かった」
そう思う日が来る可能性は、決して低くありません。

非常時に輝くスーパーカブのメリットまとめ
  1. 驚異的な燃費で、限られたガソリンでも長距離を走れる
  2. リアボックスなどで物資をしっかり積める
  3. 悪路や渋滞の中でも、選べるルートが多い
  4. 構造がシンプルで壊れにくく、メンテもしやすい
  5. ガソリンは発電機など他のインフラとも融通できる
  6. 原二なら二人乗りで家族の迎えにも使える

電動バイクの時代はもう止まりません。それ自体を否定するつもりはまったくありません。
ただ、「最後の最後に命を守ってくれる1台」として、スーパーカブだけは簡単に手放してはいけない──それがカブ乗りとしての正直な結論です。

これから免許を取る人、カブに乗り換えようか迷っている人は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

スーパーカブのカスタムや便利装備についても、普段から研究しておくと非常時の安心感が段違いになります。

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管理人プロフィール

19歳からバイクに乗り始め、2010年からホンダスーパーカブ110(JA07グリーン)が愛車(たぶん死ぬまで)。

◆これまでの車歴
ホンダゴリラ(車の流れについていけずすぐ売却)
ホンダCBX250RS(上野のポンコツ)
ホンダディオ(図書館駐輪場で盗難)
ホンダリード90(バイク屋に売ってその後韓国に行ったとか)
ホンダフリーウェイ2(マンション前で盗難)
タイカブ100EX(事故で廃車)
ホンダフリーウェイ2(中古店で事故車つかまされた)
※中古で買ったのはCBX250RSと2台目のフリーウェイだけで後は新車です。