スーパーカブで2人乗りは危険?安全性・法律・注意点をわかりやすく解説

スーパーカブは「実用性の高さ」で人気ですが、2人乗り(タンデム)は危険なのか?と疑問を持つ方も多いです。結論として、110cc・125ccは法律上2人乗り可能ですが、構造上の注意点が多いため安全対策が必要です。
このページの目次
スーパーカブは2人乗りできる?【法律で決まる】
排気量ごとのルールは以下の通りです。
- 50cc(原付一種):2人乗り不可
- 51〜125cc(原付二種):2人乗り可
街で多いカブ50は2人乗り禁止ですが、スーパーカブ110や125ならタンデム可能です。
スーパーカブの2人乗りが危険と言われる理由
1. 車体が軽く重心が後ろに寄りやすい
カブは軽いため後ろに人が乗ると重心が大きく変化し、以下のリスクが増えます。
- フロントが浮きやすい
- ブレーキ時に不安定になりやすい
- ハンドルが重く感じる
2. 純正シートがタンデム向きではない
純正シートは1人乗り前提で、後ろが狭く安定性に欠けます。
3. リアサスが2人乗り前提ではない
段差で“底付き”しやすく、フレームにも負担がかかりやすい構造です。
4. ブレーキ性能が高くない
ドラムブレーキが多く、2人乗りすると制動距離が伸びやすくなります。
カブで2人乗りすると起きやすいトラブルと対処法
1. スタート時にフロントがフワッと浮く
スーパーカブは車体が軽く、前輪荷重が少ない構造です。特に2人乗りでは同乗者の体重が後ろに強くかかるため、 発進時に前輪がわずかに浮いたり、ハンドルが一瞬「フラッ」とする現象が起こりやすくなります。 これはアクセルを急に開けたり、同乗者が後ろにのけぞった姿勢になるほど顕著になります。
対処法としては、発進前に必ず「前へ少し体重を寄せる」意識を持ち、アクセルをじわっと開けて走り出すことが重要です。 フロントに荷重を戻すだけで安定性は大きく改善します。また、同乗者にも「急に動かないでまっすぐ座る」ことを 伝えておくと、フラつきはかなり軽減されます。
2. 段差を越えるときに衝撃が強くなる
純正リアサスペンションは“荷台に荷物を載せる”ことは想定していますが、常時2人の大人を乗せた状態で 段差を越えるような使い方は想定されていません。そのため、歩道の入口やマンホール、舗装の継ぎ目など、 小さな段差でもドンッと強い衝撃が出やすくなります。ひどい場合はリアサスが底付きし、金属がぶつかる音がすることもあります。
この状態が続くと車体フレームや積載部に負担が蓄積し、ボルトの緩みや変形につながる可能性もあります。 対処法としては、段差手前で必ずスピードを落とし、体を少し浮かせて衝撃を逃すか、 強化サスペンションへ交換してストローク量を増やすのが効果的です。
3. 後ろの人が怖がって動き、バランスを崩しやすい

スーパーカブのタンデムで最も多いのが「後ろの人の無意識な動きによるバランス崩れ」です。 車体が軽いカブでは、同乗者の体重移動がダイレクトに車体へ伝わります。 カーブで体を外側に倒したり、急ブレーキ時に腰が引けると、一瞬で不安定になりやすくなります。
初めて乗る人やバイクに慣れていない人は、恐怖心から体を固めたり、無意識に反対方向へ体重をかけてしまいがちです。 対策としては、出発前に「まっすぐの姿勢で、体は揺らさず、自然に添えるだけでOK」と伝えておくことが非常に効果的です。 また、手を回すのではなく、腰に軽く手を添えてもらう方がカブでは安定しやすい傾向があります。
4. ブレーキ性能が落ち、止まりにくくなる
スーパーカブは多くのモデルが前後ドラムブレーキで、最新のスポーツスクーターと比べると 制動力は控えめです。2人乗りになると車重が大きく増えるため、停止距離はさらに伸びやすくなります。 特に下り坂や雨の日はブレーキの効きが弱く感じ、思っているより手前でブレーキを開始しないと止まりません。
対策としては、前後ブレーキを均等に使い、いつもより余裕を持って減速することが重要です。 場合によってはブレーキシューの交換、ワイヤー調整などのメンテナンスを行うだけでも制動力は改善します。
5. 横風の影響を強く受けやすい
カブは車体が軽量なため、2人乗りでもスクーターほどの重量がありません。 そのため橋の上や海沿いの道路では横風に流されやすく、まっすぐ走っているつもりでも ハンドルが取られやすくなります。同乗者が怖がって体を硬くすると、さらに不安定になります。
対策は、車線の中央をゆっくり走ること、同乗者に「急に体を動かさないように」伝えておくこと。 強風の日はそもそもタンデムを避ける判断も重要です。
2人乗り時の正しい姿勢を知っておこう
スーパーカブで安全に2人乗りするためには、運転者だけでなく同乗者の「姿勢」が非常に重要です。 カブは車体が軽く、同乗者の体重移動がダイレクトに伝わるため、姿勢が乱れるとバランスを崩しやすくなります。 以下を意識するだけで安定性が大幅に向上します。
同乗者の正しい姿勢

- 背筋をまっすぐにして、上体を左右に振らない
- カーブでも運転者と同じ方向に自然に傾く
- 体を後ろにのけぞらない(重心が後方にずれる原因)
- 両足は必ずタンデムステップに置く
- 両足は開かずに締める
- 手は運転者の腰回りをホールドする
バイクに慣れていない人ほど、怖さから体を固めたり、逆方向に体重をかけがちです。 「自分はまっすぐ自然にしていればいい」と伝えるだけでも安定感が全く違います。
運転者のポイント
- 急加速・急ブレーキを避ける
- 段差は必ずゆっくり越える
- カーブはいつもより穏やかに、早めに減速
この基本姿勢ができていれば、カブでも驚くほどスムーズに2人乗りできます。 初心者こそ最初に覚えてほしいポイントです。
安全に2人乗りするためのポイント
1. タンデムシートとステップを装着する
純正のまま無理に後ろへ座らせるのは危険。市販のタンデムシート+ステップは必須です。
2. リアサスは固めに交換する
2人乗りの安定性が大きく向上します。頻繁にタンデムするなら交換推奨。
3. 急加速・急ブレーキを避ける
重心が後ろに寄るため、一人乗り以上に「滑り・転倒」のリスクが上がります。
4. 同乗者にも基本姿勢を伝える
- 急に体を動かさない
- コーナーで内側に勝手に体重をかけない
- 足は必ずステップへ
安全に2人乗りするために揃えたい装備
1. タンデムシート(後部座席)

純正シートは後ろが狭く不安定なので、専用タンデムシートの取付が必須です。乗り心地も大きく向上します。
▼ Amazonで探す: スーパーカブ用 タンデムシート
2. タンデムステップ(足置き)
後ろの人が安定する最重要パーツ。純正のままだと足の置き場がなく非常に危険です。
▼ Amazonで探す: スーパーカブ用 タンデムステップ
3. 強化リアサスペンション

2人乗りをするならリアサス交換だけで別物になるレベルで乗り心地が改善します。
▼ Amazonで探す: カブ 強化リアサスペンション
4. グリップ力の良いヘルメット
2人とも必ずヘルメット着用。後ろの人は軽く前の人の腰に手を添えるだけでOK。
▼ Amazonで探す: ジェットヘルメット おすすめ
まとめ:カブの2人乗りは「可能だが慎重に」
スーパーカブ110・125は2人乗り可能ですが、普通のバイクとは違う癖があります。正しい装備と運転で安全性は大きく向上します。無理のない範囲で楽しむことが大切です。
この記事を読んだ方にオススメ














19歳からバイクに乗り始め、2010年からホンダスーパーカブ110(JA07グリーン)が愛車(たぶん死ぬまで)。