スーパーカブのオイル交換方法|必要な物と失敗しない手順

スーパーカブのオイル交換は、必要な物をあらかじめ用意し、手順を守れば自分でも行えます。
オイル交換はスーパーカブのメンテナンスの中でも比較的取り組みやすく、定期的に行うことでエンジンを良好な状態に保ちやすくなります。
ただし、ドレンボルトの締め過ぎ、オイル量の間違い、排気管による火傷、廃油のこぼれなどには注意が必要です。
この記事では、スーパーカブのオイル交換に必要な物、基本的な作業手順、失敗を防ぐための注意点を紹介します。
スーパーカブのオイル交換に必要な物
スーパーカブのオイル交換を始める前に、必要な物をすべてそろえておきましょう。
オイルを抜いてから不足品に気付くと作業を中断することになるため、事前確認が大切です。
- 車両に適合するエンジンオイル
- ドレンボルトを回すレンチ
- オイルジョッキ
- オイル受け皿または廃油処理箱
- 新品のドレンワッシャー
- トルクレンチ
- 軍手または作業用グローブ
- 新聞紙やダンボール
- ウエスまたはキッチンペーパー
車両に適合するエンジンオイル
まず必要なのが、スーパーカブに適合するエンジンオイルです。
オイルの粘度、規格、交換時に必要な量は、車種や年式によって異なります。
私のスーパーカブ110・JA07では、通常のオイル交換時に使用する量は約800mlです。ただし、同じスーパーカブでも型式によって異なるため、自分の車両の指定量を必ず確認してください。
オイルを多く入れ過ぎても、少な過ぎてもエンジンに良くありません。目分量ではなく、オイルジョッキで量を測って入れましょう。
ドレンボルトを回すレンチ

古いオイルを抜くには、エンジン下部のドレンボルトを緩める必要があります。
私のスーパーカブ110では、17mmのレンチを使用します。
オイル交換は何度も行うメンテナンスなので、専用に17mmのL型ボックスレンチを用意しておくと便利です。
私が使っている旭金属工業のL型ボックスレンチは、柄の長さが約20cmあり、ドレンボルトを緩める際に力をかけやすくなっています。

メガネレンチでも作業できますが、手の位置によっては熱くなった排気管へ近づくことがあります。L型ボックスレンチなら、排気管から少し離れた位置で回しやすくなります。
旭金属工業 L型ボックスレンチ(Amazon)
スーパーカブの一般整備に必要なレンチやソケットについては、以下の記事でまとめています。
オイルジョッキ

新しいオイルを規定量入れるために、目盛り付きのオイルジョッキを使用します。
スーパーカブのオイル量は1リットル未満の車種が多いため、1リットルまで測れる小型のオイルジョッキが扱いやすいです。
私のJA07では約800mlなので、オイルジョッキの800mlの位置を黒いマジックで塗り、ひと目で分かるようにしています。
オイルを注ぐ前に、フタとホースの接続部分がしっかり固定されているか確認してください。
フタが完全にはまっていなかったり、ホースの付け根が緩んでいたりすると、注いでいる途中で外れてオイルがこぼれることがあります。
私が使っているオイルジョッキは接続部分が外れやすいため、フタを親指で押さえながら、ゆっくり注ぐようにしています。
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オイル受け皿

抜いたオイルを一度受け止めるための容器です。
廃油処理箱へ直接オイルを落とすこともできますが、処理箱にはある程度の高さがあるため、ドレンボルトを回す際に邪魔になることがあります。
作業しにくい場合は、低いオイル受け皿へ一度オイルを落とし、その後で廃油処理箱へ移すとよいでしょう。
エーモンのオイル受け皿は5リットルまで対応しています。スーパーカブのオイル量に対しては十分な容量があります。
専用品でなくても、オイルに耐えられ、こぼれにくい容器であれば代用できます。
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廃油処理箱

抜いたエンジンオイルは、そのまま家庭ごみとして捨てたり、排水口へ流したりすることはできません。
廃油処理箱は、箱の中に入っている吸収材へオイルを吸わせて処分するための製品です。
私が使っているものは2.5リットルまで対応しており、スーパーカブのオイル量であれば容量には余裕があります。
中には吸収性の高い紙状の素材が入っています。

自治体によっては、廃油処理箱を可燃ごみとして出せない場合があります。使用する前に、住んでいる自治体の廃油の処分方法を確認してください。
一度使用した処理箱を次回まで保管する方法もありますが、転倒や漏れを防ぐため、袋で厳重に包み、火気や高温を避けて保管する必要があります。
私は、ドレンボルトをレンチで少し緩めてから処理箱を下へ置き、最後は指でドレンボルトを回して素早く外す方法で作業しています。
ただし、熱いオイルやドレンボルトに触れる危険があるため、軍手や耐油性の作業用グローブを着用し、無理はしないでください。
廃油処理箱へ直接落とす場合でも、念のため下に新聞紙やダンボールを敷いておくと安心です。
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新品のドレンワッシャー

ドレンワッシャーは、ドレンボルトとエンジンの間に挟み、オイル漏れを防ぐ部品です。
締め付けられることで変形し、密着性を高めるため、基本的にはオイル交換のたびに新品へ交換します。
古いワッシャーを何度も使い続けると、密着が不十分になり、ドレンボルト周辺からオイルがにじむ原因になります。
ドレンボルトのサイズや形状に合ったものを用意してください。
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トルクレンチ

ドレンボルトは、緩過ぎるとオイル漏れの原因になり、締め過ぎるとボルトやエンジン側のねじ山を傷める恐れがあります。
そのため、できればトルクレンチを使用し、指定された締め付けトルクで取り付けましょう。
私のスーパーカブ110では24N・mで締め付けていますが、指定値は車種や年式によって異なります。
必ず自分の車両の取扱説明書やサービスマニュアルで確認してください。
トルクレンチの選び方や使い方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
スーパーカブのオイル交換手順
必要な物がそろったら、周囲に十分なスペースがある平坦な場所で作業します。
オイル交換の一般的な流れは次の通りです。
- 平坦な場所でセンタースタンドをかける
- エンジンを短時間暖機して停止する
- 車体の下へ新聞紙やダンボールを敷く
- オイルレベルゲージを緩める
- ドレンボルトの下へ受け皿を置く
- ドレンボルトを緩めて外す
- 古いオイルが抜けるまで待つ
- ドレンワッシャーを新品へ交換する
- ドレンボルトを規定トルクで締める
- 規定量の新しいオイルを入れる
- オイルレベルゲージを取り付ける
- エンジンを短時間始動する
- エンジンを停止してオイル量を確認する
- オイル漏れがないか確認する
- 抜いたオイルを適切に処分する
センタースタンドをかけて車体を安定させる
オイル交換は、傾斜のない平坦な場所で行います。
サイドスタンドでは車体が傾くため、センタースタンドを使用して車体を垂直にしてください。
土や砂利の上ではスタンドが沈んだり、車体が不安定になったりします。できるだけコンクリートなどの硬い場所で作業しましょう。
エンジンを短時間暖機する
オイルを抜く前にエンジンを2分前後動かしておくと、オイルが温まり、流れやすくなります。
ただし、長時間暖機するとエンジン、排気管、オイルが高温になります。
火傷を防ぐため、暖機は短時間にとどめ、エンジンを停止してから慎重に作業してください。
新聞紙やダンボールを敷く
ドレンボルトの下には、オイル受け皿や処理箱だけでなく、新聞紙やダンボールも広めに敷いておきましょう。
オイルは思ったより勢いよく横方向へ流れることがあり、受け皿から外れる場合があります。
特にマンションや集合住宅の敷地内では、地面を汚すと問題になることがあります。念入りに養生しておいた方が安心です。
オイルレベルゲージを緩める
オイルを抜く前に、オイル注入口に付いているオイルレベルゲージを緩めます。
注入口を開けることで空気が入り、古いオイルが流れやすくなります。
完全に外した場合は、砂やごみが付着しない清潔な場所へ置いてください。
ドレンボルトを外してオイルを抜く
オイル受け皿または廃油処理箱の位置を確認し、レンチでドレンボルトを緩めます。
最後までレンチで回すと、ボルトが急に外れてオイルの中へ落ちることがあります。
ある程度緩んだら、手袋をした手でゆっくり回し、外れる直前に素早く手を引くと作業しやすくなります。
ただし、オイルや排気管が熱い場合は無理に手で触れず、十分に冷めてから作業してください。
ドレンボルトを外したら、オイルの勢いが弱くなるまで待ちます。
車体を無理に大きく傾けたり、エンジンを始動したりしてはいけません。
ドレンボルトと取り付け面を確認する
オイルが抜けるのを待っている間に、外したドレンボルトを清掃します。
ボルトのねじ山に傷や金属片がないか確認し、古いドレンワッシャーを取り外します。
エンジン側の取り付け面にも、古いワッシャーや汚れが残っていないか確認してください。
新品のワッシャーを付けて締める
ドレンボルトへ新品のワッシャーを取り付け、最初は必ず手でねじ込みます。
最初からレンチを使うと、ボルトが斜めに入っていても気付かず、ねじ山を傷める恐れがあります。
手で抵抗なく回ることを確認してから、最後にトルクレンチで指定値まで締め付けてください。
規定量の新しいオイルを入れる
ドレンボルトを取り付けたら、オイルジョッキで測った新しいオイルを注入口から入れます。
一気に流し込むとあふれることがあるため、少しずつゆっくり注いでください。
オイルジョッキのホースを奥まで押し込み過ぎると、空気の逃げ道がなくなり、注ぎにくくなる場合があります。
規定量を入れたら、オイルレベルゲージを取り付けます。
オイル量と漏れを確認する
オイルを入れた後は、エンジンを短時間始動し、内部へオイルを循環させます。
エンジンを止めて数分待ってから、車体を水平にした状態でオイル量を確認します。
オイルレベルゲージの確認方法は車種によって異なり、ねじ込まずに差し込んで測る車種もあります。取扱説明書の方法に従ってください。
オイル量が規定範囲内にあることを確認し、ドレンボルト周辺と注入口周辺からオイルが漏れていないか確認します。
オイル交換で注意したいこと
排気管とオイルによる火傷
暖機後は、排気管やエンジン下部が熱くなっています。
特にドレンボルトの近くへ手を入れる際は、腕や手が排気管に触れないよう注意してください。
抜けてくるエンジンオイルも熱くなっている場合があります。軍手だけではオイルが染み込むことがあるため、耐油性の作業用グローブがあるとより安全です。
ドレンボルトを締め過ぎない
オイル漏れを心配して強く締め過ぎると、エンジン側のねじ山を傷める恐れがあります。
エンジン側のねじ山を破損すると、簡単な部品交換では直らず、修理費が高額になる場合があります。
手の感覚だけに頼らず、トルクレンチを使うことをおすすめします。
ドレンワッシャーを入れ忘れない
古いオイルを抜いた後、新しいワッシャーを付け忘れたままドレンボルトを締めないよう注意してください。
また、古いワッシャーがエンジン側へ張り付いたまま、新しいワッシャーを重ねてしまうこともあります。
ドレンボルトとエンジン側の両方を確認してから取り付けましょう。
オイルを入れ過ぎない
オイルは多い方が安心というものではありません。
入れ過ぎるとエンジン内部の抵抗が増えたり、オイルが吹き出したりする原因になる場合があります。
最初から目一杯入れず、規定量を基準に少しずつ調整してください。
タイヤやブレーキにオイルを付けない
こぼれたオイルがタイヤへ付着すると、走行中に滑る恐れがあります。
ブレーキ周辺へオイルが付着した場合も、制動力が低下する可能性があります。
オイルが付いた場合は、そのまま走行せず、適切な方法で完全に除去してください。
廃油を適切に処分する
使用済みのエンジンオイルを、道路、土、側溝、下水などへ流してはいけません。
廃油処理箱を使用できるかどうかは自治体によって異なります。
自治体で回収していない場合は、購入した店舗、ガソリンスタンド、整備店などへ相談してください。
オイル交換後に確認すること
作業が終わったら、すぐに片付けるのではなく、次の点を確認しましょう。
- オイル量が規定範囲内にあるか
- ドレンボルト周辺に漏れがないか
- オイル注入口が確実に閉まっているか
- 地面にオイルが垂れていないか
- タイヤやブレーキにオイルが付いていないか
- 工具やウエスを車体周辺へ置き忘れていないか
作業直後に漏れがなくても、走行後ににじみが出ることがあります。
オイル交換後に短距離を走ったら、もう一度ドレンボルト周辺とオイル量を確認すると安心です。
初めてならオイル交換から整備を始めよう
オイル交換は、スーパーカブの構造や工具の使い方を覚える入口として適しています。
自分で作業できるようになれば、維持費を抑えられるだけでなく、オイル漏れやボルトの緩みなど、車体の異変にも気付きやすくなります。
ただし、作業に不安がある場合や、ドレンボルトが固くて緩まない場合は、無理に力をかけないでください。
ボルトの角をなめたり、車体を倒したりする前に、バイク店へ依頼した方が安全です。
スーパーカブのメンテナンス項目については、以下の記事でも紹介しています。
まとめ
スーパーカブのオイル交換は、エンジンオイル、レンチ、オイルジョッキ、廃油処理箱、新品のドレンワッシャーなどを準備すれば、自分でも行えます。
作業で特に注意したいのは、排気管や古いオイルによる火傷、ドレンボルトの締め過ぎ、ワッシャーの入れ忘れ、オイル量の間違いです。
ドレンボルトは手でまっすぐねじ込み、最後にトルクレンチを使って、車両ごとに指定された値で締め付けましょう。
オイル交換後は、オイル量だけでなく、ドレンボルト周辺から漏れがないか必ず確認してください。
定期的なオイル交換を続け、スーパーカブを良好な状態で長く乗りましょう。








